続・輪島・門前町報告(3)9月23日

門前日記

 

「自信のない私たちのための、水害お掃除入門」

No.1 壁の中 編 

ここ、輪島市・門前町でも、9月水害後、多くの支援が必要になります。特に、浸水被害を受けたお宅や事業所の掃除は、早ければ早いほどいい、ということで、多くのボランティアの皆さんが被災地をめざしてくださっている(はず)と思います。

泥かきや清掃のやり方については、いろいろなマニュアルが整備されていますが、高度・専門的すぎるものや、極度に初心者向けの案内が多くて、戸惑う方も多いのではと思いました。そこで、自分の忘備録を兼ねて、勘所だけまとめた記事を作りました。

役に立つと思ってくださったら、よろしければシェアしていただけますと幸いです。

本日は、「壁の中」編です。

ポイント

(0)木製の壁の中に注目→(1)壁を剥がす→(2)泥を除去→(3)水拭き→(4)乾燥→(5)消毒

解説

(0)木製の壁の中に注目

・水害の水は、雨水に増して「プランクトン」と「目に見えない砂の粒子」が混ざっている。すぐに臭いが出てくる、一刻を争う理由でもあります。

・一見して汚れていなくみえても、細かい砂の粒子を大量に含んでいるため、水が自然に引いたところも砂の粒子が残っていることが多く、臭いの原因になる。

・床上浸水すると、木製の壁の内側の、隙間のところに、砂が溜まる。

・写真1=泥が溜まった様子。一見してきれいに見えるのだが…。

・写真2=泥を取り除く。70cmの浸水で、2cmも溜まっていました…。

・これを除去しなければ、臭いも出るし建物を傷める。頑張りましょう!

(1)壁を剥がす

・浸水した高さより15〜20cm以上のところで、壁紙を切る。ボードの切れ目などがあったら、そこで切ったほうがいい。

・壁を剥がす。写真3は、ネジでとまっていた石膏ボードを外しているところです。

・剥がした壁、壁紙、ボードは廃棄です。濡れたものは残念ながら廃棄した方がよいです。

・断熱材が入っている場合は、まるまる廃棄の方が良い。切断してとっておく作業が散らかったりして大変で、その時間を清掃に回した方がよさそう。

・作業前、作業中、作業後の写真を、必ず撮っておきましょう。各種手続き(保険など)に必要なので。

(2)泥を除去

・泥を徹底的に除去。徹底的に。

・隙間はヘラなどで取り出す。ブラシでゴシゴシも。固くなっているものはドライバーなどで掻き出します。

・キリがないところですが、ここをしっかりやすと、水拭き以降が劇的に楽になります。とにかく目ではわからないぐらい、乾燥状態で取り除くのが大事です。

(3)水拭き

・除去した後は、きれいに水拭き。

・木材を湿らせたくないので、固絞りした雑巾で拭きましょう。

・水をかけると一見、きれいになったように見えますが、実は砂はしっかり残っています。水に頼りすぎないこと。

・一見、きれいに見える木材の表面も、拭いたら汚れていた、ということが。浸水したところは徹底的に拭く。

・きれいな布で何度も拭き、布面に色が残らないようにできるのがベスト。

(4)乾燥

・徹底的な水拭きが終わったら、徹底的な乾燥を。乾燥こそが命。

・不十分に乾燥しただけでは、消毒も効きませんし、臭いも取れません。数日〜1週間は乾燥させます。

・乾燥のためには、風の通り道が大事。風上から風下へ、一定の方向に風が流れるようにする。

・送風機、サーキュレーターなどがあるなら、それで風を送り出して、風の流れをつくります。

・台数があれば、直接、風を当ててしまっても良い。

(5)消毒

・水害の消毒といったら、「オスバン!」とのこと。

=逆性石鹸(ベンザルコニウム塩化物液)。石鹸の逆で酸性なので、洗浄力はないが、殺菌力がきわめて高い。

「ベルコニン液P」「オスバンS」「サニテートTG」という名称で売っています。

・人体にも安全です。手袋をしたほうがいいはずですが、私は原液を素手で触っても平気です(手がモラクセラ菌まみれなのかも。どうりで臭いはず。)

・オスバンSを指示書どおり希釈、バケツに希釈液をつくる。

・ケチらずに浸し、絞って拭きまくります。

・消毒後は、さらに徹底的に乾燥。壁の再建を考えながら、乾燥しまくりましょう。

補足

・賃貸の場合は大家さんと相談を。図面をみせてもらえるとありがたい。

・お尻の下に引くものがあるとよいです。ずっと中腰は大変。座って丁寧に拭くために。大きめのバスタオルでも良い。

・高圧洗浄機は便利だが使用が適さない場面もあり、壁の中はNG。泥水を増やすだけになる。考えて使い、過剰に頼りすぎない方がよいです。

・壁材など廃棄物が出ます。自治体・ボラセンの指示を確認しましょう。

9月22日門前町&三井、23日輪島とお伺いしまして、お掃除のお手伝いをしてきました。そこで、何人ものプロの方々から、「床下と壁の中!」とお伺いをしてきました。てて整骨院・谷さん、One team南岡さん、シャンティ中井さん、ありんこ堀口さん、いろいろ教えてくださってありがとうございます!

上記備忘録で間違っている場合は、コメントで教えてください。訂正いたします!

活動報告 2024年9月23日

・仮設に頼まれたビラ貼り。

・お掃除。壁の中から泥を掻きまくる。

・頼まれもののお土産を。ソフトを食べる時間はなかった。

・親子丼で癒される。いつもありがとうございます。

・門前支所に頼まれごとを。

・記者さんと浦上に。

・オスバンで拭きまくる。

・掃除は片付けが大変。道具が混ざってわからなくなる。作業スペースが大事、反省。

・時間が遅くなって、温泉は氷見になってしまった…。

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